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子供の映画を横で見た「ロールとローラ うきぐも城のひみつ」いろいろ思った ネタバレあり

「ロールとローラ うきぐも城のひみつ」2002年

 

ロールパンナとローラ姫

 

アンパンマン作品の中ではちょっとびっくり、百合色濃いものです。

 

私はロールパンナとメロンパンナ姉妹が好きなんだけど、実はロール&メロンよりも、ロール&ローラ姫のペアが好きで、ちょっとロールとメロンのことについて言及を避けてきたところがあります;

 

 

ロールパンナとローラ姫の出会いはちょっとセンセーショナルで、これは好きな大人も多いと思います。

 

ロールパンナはたった一人必死で大きくて重い歯車を坂の上に運ぶ子を見つける。手伝おうとすると、

「余計なことをするな!手伝わなくていい。帰れ!」

粗野ではないけれど横柄な物言い、負けん気が強く人を寄せ付けないつれなさ。ヘルメットに泥んこ服、防塵マスク姿で最初は男の子に見えるんですが、ローラ姫の大変な力仕事をロールがしつこくしつこく手伝っている途中、ローラ姫が頭の包帯を取ると2つのお団子にした灰色の髪が現れる……。ただ、その髪は環境汚染の為にまだらに黒くなっていました。なんだろう、豹というよりサーバルキャットのような大きな斑点が頭にあるの。「これを見ると、手伝ってくれると言うやつらも皆逃げていくのさ!」だからいつも1人だったローラ姫。

 

 無言でふっと飛んで行ってしまうロールパンナ。はっと傷付いたような顔をするローラ姫。信じた人に何度も裏切られてきたのか、傷付くのが嫌で人を寄せ付けなかったのだということがわかる場面。でも実はロールパンナは、余計なことを言わず手伝いの続きをする為に飛び上がっただけなのだということがわかる。

 

 揺れるまごころ草を見つめるロールパンナと、花に水をやるローラ姫。

ローラ姫「何でそんなにあたしにかまうんだ」

ロール「好きだから……」

それを聞きはっとして頬を赤らめ、目を輝かせるローラ姫。

ロール「……花が。」

ローラ姫「……おまえ、きれいな目をしているな」

ロール「えっ?」

今度はロールパンナがはっとして赤くなる。

ローラ姫「なんでもねえよ!」

 

 夜風の中ふたり寄り添い、ハープを弾きながらローラ姫が歌う。ロールパンナは傍で目を輝かせ潤ませながら聞きいっている。そしてふたりの少女の少し低めに響くデュエットが始まる。

「君は1つの歯車、僕も1つの歯車、それぞれはちっぽけで役立たずだけれどふたつ合わせれば……」

それはまるで宝塚歌劇のよう。華やかで、純粋に美しい物を美しく映し出す非現実のグランドロマン。それはアラフォーの忘れていた乙女心をも蘇らせる……。そのローラ姫の声は実は元宝塚娘役トップの黒木瞳さまなのでした。

 

 

 更に続く二人だけの世界。ローラ姫をお風呂に入れてやり、その髪を洗うロールパンナ。ローラ姫の髪は汚れて真っ黒になっていたけれど、汚れを落としてみると実は明るい金髪だった。しかし、斑点状の汚れは取れそうにない。

 ローラ姫の女らしい魅力を発見し、彼女に似合うドレスを選んでやり、恥ずかしがるのを無理矢理鏡の前に連れて行って、服をあててやるロールパンナ。

 ローラ姫の髪をとかしてやりながら、ロールパンナは言う。

「壊れた機械が直ったら、きっと髪も元通りになる」

ローラ「機械が直ったらおまえはいってしまうんだろ?なら、壊れたままでいい。ずっとここにいろよ」

ロール「いてもいいのか?…でも、私は青いハートが光った時に周りに迷惑をかけてしまうんだ。だから私は皆から離れてずっとひとりで…」

ローラ姫「ここにいろよ。あたいたちずっと友達だろ」

っていうか、、風呂で洗ってやり、髪をとかしてやる、という辺りで友達の域を越えたような気もするけれど。せいぜい二人の目がキラキラするくらいだし、表現があくまで慎ましくて品を保ちあの絵面だから、はしたなくはないんだけど、なんて耽美な。これアンパンマンだよね?!

 

 孤独で、どこか似た感じの目元をした二人。全然性格が違うのに惹かれ合い、仲良くなるのは自然なことだったよう。

 

 そしてどれくらいの間そうしていたのか、お花畑でふたりきゃっきゃうふふとじゃれあう少女たち。

 そこへ、アンパンマンたちと共にローラ姫のうきぐも城を訪れて、偶然大好きな姉ロールパンナと再会したメロンパンナ、ローラ姫に激怒。

 

 

 ロールパンナはもともと男の子っぽいキャラというか、寡黙と覆面のせいでクールな少年のような外見の子で、ローラ姫のような男っぽい子が出てきたらキャラが被るのかとおもいきや、実は本質的にすごく女らしい子だから、今度はローラ姫が男っぽい少女役、ロールパンナがそこに大量に咲くまごころ草の花の影響で可憐な女の子っぽくなってしまって、言葉も「ですます」調に。

「大変!おねえちゃんも一緒に戦って!」「えっ?戦いなんて嫌です…(走り去る)」えっ…おねえ…ちゃん?とメロンパンナもびっくり、ドキンちゃんも驚いて思わず「弱々しい」と呟く程。

 

 

 

 キャラ設定に関わる話なのですが、ロールパンナは(いろいろ省略しますが)優しい良い心と悪い心、2つの心を持っていて、アンパンマンに会うのを契機にブラックロールパンナになってしまうと(姿が本当に黒い色になる)アンパンマンを倒す、と言って怖い目で襲ってきます。か弱いメロンパンナと違ってロールパンナはこれがもともとすごく強い人なんで、味方にすると頼りになるんだけど、敵にすると一番厄介な人かも。悪い心だけしかないのであればアンパンマンも躊躇わず戦えるんだけど、良い心もあり、その良い心をメロンパンナも皆も愛しているので、ロールパンナを攻撃する事がどうしてもできないのです。これは彼女が産まれた経緯でそうなってしまったので、本人の責任ではありません。だけど狂暴性を懸命に抑え、大事な人たちを傷付けないように、自らの意志で、普段は1人荒野に暮らしているのです。

 

 

「君とは戦えない!」

と、襲ってくるブラックロールパンナを何があっても攻撃する事ができないアンパンマン。

 ロールパンナも別に、アンパンマンを倒す目的以外には積極的に日頃悪いことをしようとしている風では無いんですが、アンパンマンを攻撃する際に邪魔になる人に対しては、相手が一般人だろうと「邪魔だどけ!」と崖の上から殴り飛ばしたりもして、かなり殺傷能力の高い人だから、何とかアンパンマンも彼女を抑えねばなりません。でも、アンパンマンはいつも彼女と戦うことを拒否するのです。

「君とは戦えない!」と言って結局アンパンマンはやられて、仲間全員危機的状況に。

 

 

 唯一ブラックになった彼女を抑えられるのが妹メロンパンナです。「いつもの優しいお姉ちゃんに戻って!!」と涙を流して、はなせ!おまえなんて妹じゃないと怖い顔で凄まれぐいぐい押し退けられてもロールパンナに抱きついていきます。頭を潰されそうなくらい押されて、無様でも美しくなくても、ぶりっ子みたいでも弱くても甘くても、姉への愛のみで必死の形相で抱きついていくこの根性は目を見張るものがあります。その涙でいつも大抵、ロールパンナは元に戻ります。

 

 元に戻ったロールパンナは、きっといつか一緒に暮らせる時がくる、と自分に言い聞かせ、涙をこらえるメロンパンナからさっと離れ、何も語らず荒野へ戻るのです。

 

 

 もしかしたら、この辺は原作者やなせたかし先生も何か思いがありつつはっきりした終着点を設けていなかったのかもしれません。

 と、私が思うのは、ロールパンナは決して自分の弱さに負けて心が揺れるのではなく、先天的に善と悪の心を持っていて、自分でも制御不能だから善になったり悪になったり揺れるだけなのです。アンパンマンが基本的に善いことしか選択しないのに関しては「生まれつきそうだから迷いが無い」という面も否めなくて、もちろんそれが、生まれつきというだけでなく、行動を通してだんだん自分の哲学として定着し完全に自分のものとなったんだとしても、それでも、もしアンパンマンの心にはじめから正義と同じくらいの強い悪い心が存在したとしたら、果たしてアンパンマンであっても善が悪を完全に抑えられるのか、そして人の「心」、身体ではなく心のその半分を外科手術的に強制的に排除するのは本当にその人本人のあるべき姿なのか?という、他人が勝手にその存在の是非まで決めつけることへの躊躇い(はっきり間違っていると判断するわけではなく躊躇)をやなせたかし先生はやはり感じたのではないかな?と思うんです(私の勝手な想像)。良く生きるのを望む彼女であれば悪を強制的に排除した方がいいのかもしれないけれど、強さも弱さも全部その人のもので、悪が異物ではなく根元でその人の善と繋がっている物なのであれば、バイキンマンに外から操られてなのだとしても、悪となる報いをも全てその人が自分で受けねばならないであろうところがあって。つらいですね。

 茶木ひろみさんの「悪徳の栄え」という漫画だったか、それでも自分は悪いことを考えずにはいられないんだと言って悩み苦しむ場面があったと思うんですが、生まれつき持っている、とか、幼少期養育者から強制的に背負わされた悪徳とか、そういったことに昔から少し興味があって、時々ぼーっと考えてしまうことがあります。(↑なんだこのタイトルは?!と思ったけどサドとは関係無い感じの漫画でした。)あと、昔の漫画ばっかりで恐縮ですが、桑田乃梨子「おそろしくて言えない」かな、二重人格の女の子がいて、主人公の少年が好きになったのは優しくて可愛い性格の方の人格なんだけど、その子が自分の悪い方の人格を嫌いながらも、悪い方も私なの、とちらっと言うシーンがあったのをよく覚えています。二重人格は分裂したアイデンティティではなくあくまで別の二つの人格なのでこの場合どうなのかなというのはありますが、この人は二つの人格を一つの体に持つ人生をこの話の最終的な時点では受け入れて生きていく道を歩んでいます。解決できない、折り合えない部分がある、という点でちょっと絶望的なんですが、それも受け入れるしかなく、今の時点では諦めるしかないや、えへへとしながら案外逞しく現時点を生きていました。

 

 

 

 だから、こういうのは結局本人にしかどうにもできない一方で、本人にはどうにもできない。つまり誰にもどうしようもない。善悪の心と言っても、やはり相対的なものであって、人に害を与えるのは悪、人をころすのは悪、と今の価値観では言えても、たった数十年前世界でも日本でも敵を殺すのは悪じゃなかったこともあるし、法律等の話で言えば今でもまた別で。善悪がその時時の基準で変わるのだとしたら、今悪い心を持つロールパンナの存在自体を今の価値観や基準でどうするべきなのか判断しても彼女は救われないのではないかなあと。少なくとも今はきっと誰にもわからないのだと。(私は批判を込めた意味での「思考停止」という言葉が嫌いなのですが、今すぐ性急に答えを出すことができない事柄やそういう人に対して、出せと言うのは乱暴で、一種脅迫である場合も多々あると思うし、一時停止することを知らないのも問題があると思う。とりあえず、その言葉で人を見下す権利は誰にも無いと思うのです。傷つけるのが目的ではなくとも少なくとも相手への愛が無いのはわかる。この場合別に愛がなくてもいいんだろうけど。)

 強い善の心を持つが故に自分に悩むロールパンナも、アンパンマンたちも、メロンパンナも、いつ彼女が救われるのか全くわからないものの、彼女の善を愛し、そこから生じる生命力を信じて、ただ彼女が自分たちのところへ戻ってくるのを待つしかない。彼女を彼女の中の悪から救ってやるなんて高慢な考え方はアンパンマンもしていませんしね。皆人の心の中などわからないし、善や悪が何なのかだって自分の基準でしかわからないものです。

 

 

 話が広がってしまいましたが、ロールパンナの2つの心は、片方を消すだけでは都合の悪い面を見なかったことにしただけになるんじゃないか、という気が私にはしてしまいます。だって現実に、ロールパンナは生まれつきそうだったんだし。

 

 さて。メロンパンナが「もとのお姉ちゃんに戻って!」というのはいつももちろん、人の善を信じる優しくて強い愛なんですが、ここで別のことを言う人が現れたのです。自分は人に迷惑をかける、というのに対し、「それでもいいよ」と。それでもいいよ、ここにいろよ。と。それがローラ姫です。

 ローラ姫が、自分の職務の為にまた孤独な旅を続けねばならないと去っていく時に、ロールパンナは私も一緒に行く、と言うのです。ずっと友達だ、と約束したから、というのもあるんですが、でも一方で、こんな2つの心があっても「いいよ」と言ってくれたのがローラ姫だけだったから、というのもあったんじゃないか、という風に私は感じます。本当はローラ姫もブラックになって暴れられても困るとは思いますが、ローラ姫は多分、アンパンマンにも劣らず、迷いの無い愛を愛した人に与える人なのだと思います。アンパンマンがかなり大雑把に言ったらアガペー的な自己犠牲の博愛を示す人、としたら、ローラ姫は愛する人だけ愛する友愛みたいな、或る意味利己的な愛の強い人、しかしまた愛する人の為に寂しさを背負って1人去って行くことのできる、その点自己犠牲的でもある、間違いなく強い愛を持つ人だと思います。アンパンマンのように誰をも愛するのはむしろ人間じゃないし。アンパンだけど。

 

 

 

 こんな素敵な仲間がいるんだから、ここにいる方がいいよ、とローラ姫は言って、去っていきます。

 一緒に行かなかったロールパンナは、つまり、恋人のようにさえ見ているローラ姫ではなく、妹であるメロンパンナやジャム一家の仲間たちを選んだということです。ローラ姫が好きでも、でもメロンパンナを置いてはいけない。それには迷いが無いようです。家族愛?っていうか、ロールパンナはメロンパンナのお姉ちゃんとしてこの世界に生まれてきた人なので、そこは絶対譲れないのです。それが彼女が「なんのためにうまれてなにをしていきる」の答えなのです。そして愛するロールパンナの最も大事にするものをきちんと認めるローラ姫。

最後まで強がって笑うローラ姫、そして黙して語らないロールパンナ。

こっちが泣ける。。(。´Д⊂)

ふたりまた一緒に暮らせたらいいね、また一緒に笑いあえたらいいね。

 

素敵なお話でした。やっぱりアンパンマン映画いいよ( ノД`)…

 

 

 

JUGEMテーマ:漫画/アニメ

 

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posted by: nanori | 映画など | 21:06 | comments(2) | trackbacks(0) |-
深いね〜〜
ロールパンナちゃん、そういう性格だったんだね。
はじめて知った。

子供だから無垢で無邪気なわけじゃないし、誰でも黒い心を持ってると思う。
人は悪い人・良い人の2つに分けられるんじゃなくて、どっちの心もみんなにあるんだよね。

こどもたちには難しそうに見えるけど、すんごい深いお話をアンパンマンでやってたんだね。
それぞれになにか感じてくれるはず..と、先生はこどもを信じているんだね。

自分が子供の時も、妹や近所の子に遊びの中でけっこうひどいことした覚えもあるし、黒い感情をどうしたらいいかわからずにぶちまけてた。
大人になっていく中で、そういうものを抑えたりする知恵やガマンができてきて、出さずにいるけど日々ムカッとすることはあるもんね〜。

先日知り合いの小学生の子がいじめの先導者になった話を聞いて、その子はきっと心にわいた苛立ちをうまく発散できなくて人に向けちゃっただけなんだろうな、と思った。ロールパンナちゃんみたいだね。
| カッパ | 2018/04/25 1:25 PM |
>カッパさん

ありがとうございます!
ロールパンナちゃんはあんまりしゃべらないんで本当はどうなのかは私もわからない部分が多いですが。。。クールっぽいのに結構陰で一人、動物とウフフっとじゃれて可愛がってたりして。悪い恐ろしい時と、こっそり女の子ポイ時と、あとそれを隠してクールな時と、何かすごく複雑な心を持った人のように感じます。結構幼稚園児とかそれ以下でもロールパンナが一番好きという子が意外といて、強いのとか、戦う技とかが好きなのかもしれないですが、難しそうでもちゃんと子供に愛されてるキャラなのかもしれないなと思います。

なるほどなーとカッパさんのお話きいていろいろ思い出しました。そうですね、子供も普通に黒い感情持ってますよね。小学生の子のいじめの話、ロールパンナちゃんみたい、というの、確かにそうかも!と思いました。私もそういうのあったし、子供ってまだまだ自分の気持ちをうまく発散したり、要領よく整理したり処理したりして解決できないもんなんですよね。必ずしも周りの大人から見て恵まれてない環境ではなくても、その子にとってつらいこととかはいっぱいあって、それって大人ならすぐ何らかの方法で解決してしまえるけど子供だとできなかったり。こんな風に苦しんでる子は実は大勢いるのかもしれないですね。子供は大人になってから過去を振り返ってみてもよくわからないところがありますが、自分の子供を見ていると、うまく感情を処理できなくて、それで泣いたり怒ったり悪いことしたりする時とてもとても苦しそうに見えます。ドーンと押されたりポカポカされたりすると私もムカーとしますが(汗)、頑張ってるんだな、と思って見守るようにしてます。
| なのり | 2018/04/27 11:33 PM |









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