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感想・西乃まりも様『摘み草の薗』読みました

 

西之まりも様『摘み草の薗』

2018.5

 

http://marimondou.blog32.fc2.com/

@marimobomb

 

 感想っぽくないですが、読んで感じたことをつらつらつらつら書いてたら・・・長い!!!感想文なのかなんなのか不明!すみません↓

 

 私は昔からあんまり自然信仰がどういうのか理解できなくて何かと戸惑うことが多かったように思います。大自然に触れている時も美しさや壮大さより始終自分の体の痛みに気をとられていたり、何か人の厳しい批判や監視の目にイラついて帰ってきた…とかいう記憶ばかりがあります。でも、私は東京の中では田舎の方で育って、嫌でも徒歩数秒の距離で虫や雑木林やなんかと触れ合わずにいられなくて、考えてみると子供の頃自然の美しさや心地よさ、匂い、季節ごとの空気といった、何気ない風なことを今よりずっとよく知っていました。
二十年三十年前だからというのもありますが、小さくても死者のでる自然災害や観光客や地元の子供が川で溺れてなくなる事故は近所で頻繁にありました。私は今でも雷や川というものが怖いと感じます。それは単なる怖がり、心配性というのもあるけど、多分平原に雷がバンバン鳴りドンドコ落ちて、油断すると自分と同じくらいの子供などが自然の中で普通にしんでしまう田舎に生きていたからこその感覚だとも思います。

 「巳ノ淵」の香織ちゃんは元々神様的なものの世界を嫌っていて、山で遊ぶよりも町に出ていきたがったりします。状況などは私と全然違うけど、私もちょっと近いところがあったような気がしました。今はもういいけど、もし過去の私に茅さまのような神様が現れたら何か私本当は喜びそうだな、とか、でもそもそも私は会えなさそうだなとか、会えてもただポカーンとして一生何にも理解できなかったりしそうとか。

古くから続いてきた風習は外から見ると無責任に興味深く感じてしまうけれど、実際中に入りたいとは思わないです。でもその中にうっかりして入りこんでしまうと、そこで初めて触れさせてもらえる奥深い世界を知るのかもしれません。私は入ってないからわかりませんが。でも別に、そこに入り込まないといけないわけではなく、あくまで、必要なら呼ばれ、その必要がなければ呼ばれない、そこに良いも悪いも無い、現代社会ではよくわからない基準の世界があるようです。でもそれは何か感覚としてわかる。子供の時はわからなかったけど今は。そういうのはもしかしたら他の、キリスト教のようなのも同じかもしれません。

そこに入り込んだ経験があっても、香織ちゃんは大人になっても相変わらず香織ちゃんでした。あの薗の存在は、それでもいいんだと言ってるように感じます。あそこが好きな人もいるし、怖い人もいるし。人はとりあえず人の世界で生きるので精一杯だし。私は見えないものは有っても無くてもどっちでもいいや(今はちょっと別のことでいっぱいいっぱい)程度の認識の人間で、でも自然の美しさ、恐ろしさをちょっと知っている。ただそれだけのことで、自然なんて別に良くも悪くもないと思う。美しくて怖いというだけ。

 私は人の理性重視側に傾いているかもしれなくて、自然を見る人の意識こそが自然に意味を見出だしている(美の観念なども)気がしてしまう方。自然の流れに抗い個人の損得感情を優先して生きることも、生きる人の自由と、ちゃんとあちら側から認められていると無理矢理思ってしまう。報いを受けることもセットで。これは人によって全然違うと思うけど。
 

 私は代々実家のある地方に住んでいた訳ではなくうちはいわゆる余所者で、そのせいで嫌な思いもしたし結局馴染みはせずに結婚して土地を出ました。地元の神社お寺、お祭り、なんかには好き嫌い以前にほとんど縁がないままでした。それでも故郷の自然やそこに発生した人々の文化に愛着があります。パソコンもネットも無い時代で、遊ぶんであれば友達と外でおままごと(おままごとって昔は外でもやってませんでしたか?敷物しいて。今考えると家の中にもおもちゃは無いから葉っぱや木の実を使っておままごとをしていたのかも)して、2,3人でボール遊びしたりゴム段したり、近所のまだ整備されていない茂みを探検したりして、外にいると必ず自然に触れることになるのです。この作品は、そういうことをいろいろ思い出すきっかけとなりました。


意識と感覚と体との微妙な関係

 まりもさんの作品の中の、私の好きなところのひとつは、感触(感覚)に関する描写です。体の感覚からたどっていってやっと思い出す自分の存在、自分の意識と体がうまく繋がらない感覚、とか。

 何かに手を触れると言うとき、その触れる対象の形状や素材表面の固さ、温度、色合いその他を書けばいいようでいて、実際には感触というのは対象側ではなく触れている側の手の内側にあるものなんですよね。当然と言えば当然だけど、見ているのが文章の書き手、読み手、動作の主体、客体と大勢からんでくると一瞬わけわからなくなるような。冷たいとか固いとかはすべて人の意識による主観であり、形容詞は触れた結果の感想のようなもので。対象そのものを客観的に表現するわけではないですね。人が何かに触れてそれが固いと感じるのであれば自分の手がそれに比べて柔らかいのであり、対象の表面が冷たいと思うのであればそれは自分の手がそれと比較すると温かいということでもあって。他の類似のものと比較すると固い、冷たい、ガサガサだ、ということであれば、そこで比較しているのは当然触れる本人の意識ですし。そして意識の触れる、自分の手が触れる対象が自分自身であることもあります。何かに相対する自分が有ってこそ感覚というものが有って、そこでやっとこの対象について描写する意味があるのだと感じる時があります。
 だから視覚聴覚触覚……あらゆる感覚を言葉にするときに、多分、対象の形そのものをイメージする以上にそれに対する主体の感じかたをとにかく懸命に知ろうとし、きちんと描写しようとしなければならないと思うのです。架空の話だと余計大変です。だから懸命にするんです。その辺をおざなりにしては多分、伝えたいことがきちんと伝わらない時がある。この作品は基本的に、人の意識が見慣れないものや不思議なものに触れる話なので、まりもさんはそういう繊細な作業をとても丁寧にしていて、というか、こういうのをひたすら書きたいと思っておられるのではないかと感じてしまう(わからないけど、っていうか私の勝手な見方だけど)くらいの熱の入りようで、そういうのが私はとても好きなのです。そういうのがあるから私だけでなく多分読み手は皆どんどんこの世界に引きずり込まれるのではないかなと思いました。この作品もそうだし、舞台がつながっている過去作品「記憶の森」も、そういうところ好きです。
 



 人間は遠い過去から似たようなことを多分ぐるぐる繰り返しながらやってきて、やがていつか薗や茅さまへの人の信仰は見失われるかもしれない、そして新たなものに支配され、それでもまたぐるぐる同じように悲しい歴史はやってきて、また茅さまは生まれてきて、人は信仰し、その世界に馴染み……。
そうやっていろんな時代に人間は嫌でも生まれて生きて苦しんでしんで、そう思うとつらいですが、その中には温かさや穏やかさも多分どこかにあり、有って欲しいと願い、大切にし大切にされる茅さまがいることが嬉しくて泣けてくる。こういうのが何なのか私にはわかりませんが、この作品の世界で少なくとも私は彼の存在にほっとしています。
 

 

 キダサユリさんの表紙、挿絵は素晴らしいですね。最初表紙の人物の顔や姿勢はあれ、まりもさんが描いた?と最初思ったくらいまりもさんの文の雰囲気と合っているように感じました。「巳ノ淵」の香織ちゃんの挿絵がすごい好き。私は縞々が好きで、適度な細い間隔の縞々があるだけで好きですけど…。葉っぱもそうですが長い髪の毛の描き方とかが美しくて、でも一気に長い線で髪を描きすぎていないのが可愛い少女らしく感じて、いいなあと思いました。

 

 

 物語について・・・それぞれよかったです。最後の「薗の宴」よかったです。一番短いけど締めくくりにふさわしく穏やかで美しい作品でした。ストーリーということではなく。簡単ですみません。やっぱり私は最初の「巳ノ淵」の香織ちゃんが好きかなあ。すごく可愛い子だと思います。

 多くの方に読んでいただき、この世界の良さにそれぞれの心の感覚で触れていただきたいと思いますね。

 

 

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posted by: nanori | 同人誌文学 | 20:05 | comments(2) | trackbacks(0) |-
なのりさん、こんにちは!
『摘み草の薗』を読んでいただき、ご感想もありがとうございます〜〜(^∀^)ノ
いつも丁寧に言葉を尽くしてご感想を書いていただいて、ほんとに恐縮至極です…(((;∀;)))
作品の内容については、読者さまの好みがあるので、必ずしも万人に受け入れられる内容のお話ではないのですが、どこかしら共感していただける点があったのならよかったなぁと思います^^
キダさんの絵、本当に素敵なものになったので、お言葉をいただけてとても嬉しいです。文章とぴったり来るものになっていたら、それが一番なのかもしれません。

ツイッターのほうにも色々書いたので繰り返しになっちゃいますが、なのりさんのブログ、いつも楽しみに拝見しています♪♪またお時間がありましたら、近況などの記事も楽しみにしておりますね…!!!
これから暑くなってくると思いますが、お体に気をつけて、お元気でお過ごしくださいませ(*^∀^*)
| まりも | 2018/06/22 4:48 PM |
>まりもさん

ありがとうございます!!子供が風邪を引いて&私にも移って&子供の幼稚園に要るもの準備&子供に言われて段ボールで自動販売機を作って、などしていてなかなかネットができません。。

読んでくださってありがとうございました!というかほとんど自分の話とか自分の思う〜〜あれこれになってしまうので感想っていってもうまくなくて申し訳ないんですが。。。この作品は多分、すごく調べたり?手をかけてこられたんじゃないかと思います。これまでの作品も私的にもよかったですが、好きな方いっぱいいると思います。たくさんの方に読んでみてほしいですね〜〜。

まりもさんも、お体気を付けてくださいね!ありがとうございます。

あ、ブログ読んでくださってるんですね(><)ありがたいです!!。。。何か雑多な感じで面白いかどうか不明ですが、個人的に楽しんで書かせていただいてます(笑)
| なのり | 2018/06/23 3:24 PM |









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